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この状況下での最後のつめだった。 今年度は色々なことがあった。 まずこの1年で息子の学業に革命が起きていた。 進学に影響する評価はかなり低く、偏差値に関してはわずかな希望があったのかもしれないが、私たちにはその希望ですら確信がない雲をつかむようなものだった。 それでも、行ける高校があればと、野球を通して、また、興味のある勉強ができる高校探しで離島留学すら範疇に引き込んでいった。 野球では私立高校から声がかかるも、学業に関する評価がクリアしていなかったりで結局はそこから先には進めなかった。 ハングルに興味があり、はるばる、対馬まで行って対馬高校を見に行ったり、岡山の和気閑谷高校や愛媛の大三島や伯方島などの高校へも選択肢を広げていった。 そこには一発逆転の可能性も期待していたが、下宿なども考えると、受験にまでは至らなかった。 地元でも8校ほどの見学等に行った。 私だけでも、この1年間で10校ほどの高校を見てきた。 結局、「灯台下暗し」「青い鳥」なのか、自転車で通学するところの公立高校への合格で、かつ最終的には一番納得する行きたい高校への進学となった。 偏差値からは不可能とさえ思えていたところに手が届いた。 受験対策も家族ぐるみで行った。 正月休みは、私が関われる教科として、一緒に社会のテキストを解説しながら取り組んで一冊を確実に終えた。 そして、理科のテキストにも取り組んだ。 わずかな悔いは残るが、やるだけのことはやって「後悔はないぞ」という覚悟が定まってきていた。 都立高校入試試験の約一週間前の土曜日、職場でのことだった。 退勤できる2時間前から背中、腎臓の辺りがじわじわと痛み始めていた。 18年前に患った尿管結石と同じ感覚が・・・。 そして、退勤とともに、電車に乗って地元へ向かった。 できるだけ近くの救急病院へという思いからだったが、電車に乗ってからがきつかった。 席は空いておらず吊皮を掴んで、のたうちまわる状況を必死で抑えつつ悶えていた。 途中駅で前の席が空き、すぐに座ったがおとなしく座っているのが絶えられない。 このまま銃殺された方が楽だとさえ思えて苦しくて苦しくて、立川に着くまでに、妻からlineが来て駅前の泌尿器科で19時半までやっているからと・・・。 そこに向かい受付でのたうちまわりながら状況を伝えると、ここでは無理ですとの返答。 どうやらメンズクリニックで泌尿器の内容は勃起障害などのケアだった。 困り果てた受付の男性が紙コップに水を入れていくつかの薬を持って勧めてきた。 「私も同じ尿管結石で苦しんでいて頓服を持っているので・・・」とのことだった。 石を小さくして流れやすくする薬と痛み止めだった。 服用するも即効性はなく痛みは続く・・・。 私は待合室のサイコロの様な椅子が何個か集まっているところで横になったり、うつぶせたりと色々な動きをして悶えている中で受付の男性はパソコンを介して出来るだけ近い病院を探していた。 職場を出る前に地元のいくつかの総合病院には問い合わせていてどこの病院も泌尿器科の先生が当直におらず、坐薬を入れて後日通院との返答だったので、どうせ同じならと一番近い病院へと、死にそうな状況の中、お経を小声で唱えながら歩いて行った。 受付、看護師、ドクターすべてが私の状況を察し下さったのか、事前の電話では坐薬でしか対応できないと言われていたにも関わらず、CT検査のあと2時間の点滴。 全く痛みがなくなった。 あの地獄のような苦しみは何だったのだろうとさえ思った。 18年前の映像で腎臓に残っていた石が膀胱まで降りてきていた。 ドクターも看護師も受付の事務の人たちもすべてが天使、いや神様に見えていた。 なんて私は幸運なんだろうと感謝の気持ちが溢れて泣きそうになっていた。 ドクターから一言、「このレベルは救急車で来るレベルですよ」とのことだった。 翌週の同じ時間にあのクリニックに行き、いただいたのと同じ薬を持ってお菓子を添えてお礼をした。 あのときかけられた情けは苦痛に耐えていた私にどれだけ励みになったか・・・。 それは今頃になってじわりじわりと伝わってくる。 追いかけてくるこの感動で私は今でも幸せな感覚になれる。 お礼に行った日の前日、息子は運命の受験をした。 親馬鹿な私は、出願についていき、受験の日は学校に入るまでを見届けた。 そして、先日、一緒にいった合格発表。 この1年間、息子に寄り添えて良かった。 共に喜びを分かち合えて良かったって思えた。 何よりも勉強が出来ないなりにも頑張る息子をそばで見れたことに感謝した。 今は亡き私自身の父を思い出していた。 大学受験で初めて私の勉強する姿を褒めてくれていたあのときの父を・・・。 人生の達人は逆境を楽しみ、順境もまた楽しむのです。 夏の終わりに行った閑谷学校 息子に買った孔子のお守り
by ikenosai
| 2020-03-04 11:06
| 子育て 一期一会
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Comments(11)
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o-rudohime at 2020-03-04 11:45
困った時の親切 たとえ声がけでも嬉しいです。
今回は危機感のない本人により周りの人々の心配 心遣いほど嬉しいことはなかったです。 ご子息さんの合格 おめでとうございます。 ひとまず安心ですね。
1
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ikenosai at 2020-03-06 08:49
> o-rudohimeさん
コメントありがとうございます! 合格発表の翌日から息子は長い休みに入り、娘は予定していた韓国への卒業旅行をキャンセルと我が家でも大変な1年です! それでも、何か楽しいことをと家族で考え中です!
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shata3438 at 2020-03-07 09:56
こんにちは。
おめでとうございます。一番喜んだのは合格した本人でしょうか?それとも親かな? しかし結石は痛いそうですが、私には経験がありません。以前医者でCTを撮ってもらった時に、砂があると言われました。私の友人達にも石持ちがいて言語に尽くせない痛みと言っていました。友人達はむかし超音波で石を砕いて出したと言っていました。
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ikenosai at 2020-03-08 11:00
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touseigama696 at 2020-03-08 11:45
息子との絆 病いとの戦い
その年代ならではを拝読し 同情と激励の両方です 通り過ぎてしまった世代としては それもやがて良い思い出になると思えます 胆石の激痛を思いだしました(笑) 入院中の病院での激痛で 救急で別病院で二度目の手術 痛かったです(笑)
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ikenosai at 2020-03-09 09:05
> touseigama696さん
コメントありがとうございます! いつも、ステキな焼き物に「いいなぁ」って感動しています。 一喜一憂の多い一年間ですが、昨日は休日で息子と硬球でキャッチボールをしました。 今朝は筋肉痛です・・・!
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ryuboku2 at 2020-03-09 12:24
イイネを頂きありがとうございます。
腎臓結石の痛みとの闘いを拝読し、心配しました。結果的にはご無事で何よりでしたが、どうぞお大事になさってください。 (私も他の“石持ち”なもので、他人事ではありません) 息子さま、本当におめでとうございます! 素晴らしい春になりますね。 (フランクルの『夜と霧』、学生時代に文字通り“吐きながら” 使命感に駆られて読み通した一冊でした)
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ikenosai at 2020-03-10 21:35
> ryuboku2さん
コメントありがとうございます! 私の一族、父、姉、叔父、叔母と「イシモチ」で、母からは、「似んでもええところが似て・・・」と苦笑されました。 中でも父は、粉砕したとのことで・・・。 18年間も体内にあったのなら真珠にでもなってくれてたらなんて笑い話にしていますが、大昔ではなく現代で良かったとつくづく思います。
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buribushi at 2020-03-18 18:07
合格おめでとうございます。いろいろ手を尽くされて、近い所に青い鳥、ほんとうによかったです。
わたし(すばる、82歳おばー)も石持ちでした、20何年前、腎石が途中にひっかかって脇腹の痛み、人生最大の痛さ。娘が里芋のすり下ろしをたっぷり貼ってくれて(カブレ防止に胡麻油を塗った)ややらくになり、とろとろ眠って起きたら、おしっこと一緒に石を排出。再発はありません。
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ikenosai at 2020-03-18 23:38
> buribushiさん
コメントありがとうございます! よく痛みに耐えられましたね、すごいです! 小生だったら死んでいますね、きっと! 里芋の湿布、以前に東城百合子さんの本で見た記憶があります。 効くんですね!
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buribushi at 2020-03-19 10:24
>里芋シップ
そうそう、情報の出所は東条さんの本でした。 あの本を見て、「砂もぐり」(きれいな砂を掘った中に寝て砂を掛けてもらい、一日過ごす)も幾夏かやりました、ある男性はこれで、出た時カチンと音がしたほどの石をおしっことともに排出(それまで痛み、自覚、ともに無かった)。 同時に背中にぷつぷつした吹き出ものもあって、奥さんが全部毛抜きで抜いたそうです(芥川龍之介の「鼻」を連想、私も抜きたかった!)それで不調が治ってしまいました。偏食で、毎日刺身を食べていたのを改めて、すっかり元気になりました。
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