今年のクリスマスイブは、早く家に帰れた。
それだけでもありがたく心弾む思いだった。
街は買い物や食事の人々でごった返していた。
どの人を見ても楽しそうな笑顔が印象的だった。
幼少の頃、クリスマスはそんなに大袈裟なイベントではなかった。
それでも、街の商店街のおもちゃ屋は競って新聞の折り込みチラシで流行のおもちゃを売り込んでいた。
もちろん、私には手の届かないものだった。
母は、母なりに考えてくれたプレゼントを私は懐かしく思い出す。
幼稚園にも行かない幼少期のクリスマスの朝、枕元の靴下にみかんが入っていたのを思い出す。
母の慈悲に触れ、今は感謝が込み上げてくる。
そんな私にはもうひとりの母がいる。
上京して2年目、当時19歳だった私は部活に忙しく、バイトにも忙しい日々を送っていた。
彼女もいない寂しいクリスマスイブを過ごし、一夜を明かした。
数ヶ月前に失恋をしたこともあって本当に切ない記憶が今も残っている。
そんな寂しかった翌日のクリスマスにケーキを差し入れてくださったバイト先のおばさん。
私にとっては東京のお母さんのような存在だった。
そのおばさんは数年前に天に召されている。
あの時の思いを、感謝の気持ちを祈りにこめて贈りたい。
メリークリスマス!
あの世でもご加護がありますように・・・!
そして、田舎にいる本当の母へ、メリークリスマス!
いつも、いつも、ありがとう!
娘が作ったケーキを添えて!