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いけのさい~子育てと教育の一隅を照らす


「ありがとう!」で終わる人生を目指して、日々のことを振り返り、そして、これからのことを考える。
by ikenosai
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青春のストライクゾーン

 職場の人事異動で今月から夜勤業務が入った。

 大きな音に反応し、眠気まなこでデパートの広告用の大画面を見上げると、「君がいた夏は、遠い夢の中、 空に消えてった、打ち上げ花火」・・・と「夏祭り」がかかっていた。

 そう言えば、中学2年の娘は今、青春のストライクゾーンに入っている。

 それだけで、元気をもらっている。

 私の中学2年の夏休みは、担任の先生の慈悲で更正を誓った夏休みだった。

 朝から部活に行き、午後は友だちとプールに行く毎日、プールに行かない日は、池や川で泳いでいた。

 それでも、不安な思春期。

 当時の心の内を思い出すと、不安定で屈折したどうしようもない自分を思い出す。

 それを思うと、娘はなんて可愛い年頃の女の子なのだろうと思う。

 それだけで感謝である。

 そんな娘が、ルーキーズの再放送を録画してくれていた。

 ありがたいことに、これまで一回も観れていない第1回目から撮ってくれていた。

 娘も、小3の息子も、そして私も夢中になって観ていた。

 それぞれにどこか響くものがあるのだと思う。

 何度もこのブログでお伝えしていることではあるが、私は野球が大好きである。

 そして、不登校の子どもたちと関わっていたころをふと思い出していた。



 以前、定時制・通信制高校の野球部の監督をしていた。

今は、東京都に拠点をおく高校ではなくなったので、東京都の大会には出られなくなった。

全校生徒が40人前後で、色々な問題を抱え、中学時代に不登校だった生徒も少なくない。

まして、半分は女子で入部を希望しても試合には出られない。

野球をしたいという生徒は、いつも9人ギリギリで何とか出場していた。

リーダーシップのとれる者がいれば、少しは上手くなれる生徒もいるが、まともに試合ができるだろうかと心配になる生徒のほうが多かった。

ちょっとした憧れや、気まぐれで野球がしたいと言ってきて、いざ練習になると参加しないで帰ってしまう。

厳しくすれば、学校にすら来なくなる。

あああ、今年も試合ができるだろうかと、年度初めから私の悩みだけがふくらんだ。

今年は、チームが組めるだろうか、それでも試合に出たい生徒がいれば、出してあげたい。

なかなか、上手くいかない中でも、5~6人はいつも練習に出てきた。

試合が近くなって、いよいよ練習に気合いが入り始めた。

しかし、登録したのに来ない生徒がいる。

いつも気まぐれで、無責任なA君。

明日試合だと連絡すると、気乗りしない返事。

それでも、迎えに行くからと伝えておいた。

6人の生徒を乗せる予定で、最初にA君の家に。

案の定、待っていても出てこない。

母に説得を促すが、息子との折り合いが悪いのか、強い口調では言えず、堂々巡りを続けている。

私は、とうとうしびれをきらし、車を路駐して玄関へ。

私の顔を見たA君は、今度は逆ギレ状態で、「絶対いかない」と一言。

野球がやりたいと入部してきたときのことを話し、今日の試合をみんな楽しみにしているのに棄権したら、がっかりするだろうと話す。

「みんなに謝るか?」と言うと、「土下座ぐらいしてやるさ」と凄んでみせる。

そんな見栄を張っても、弱虫なA君にはできるわけない。

すんなり、試合に出たほうが本当は楽なのにと思いながらも、やる気を必死で引き出そうとしていた。

学校で待っている生徒たちから出発時間が限界をこえていると連絡があった。

私の車をあきらめた彼らは、電車に乗って行くことになった。

私はA君に説得をくり返していた。

なかなか受けいれず、意固地になっていて、動こうとしない。

それでも、私はあきらめない。

とうとうA君が根負けして、「行くよ、行けばいいんだろう」と一言。

私は、無言のまま、車にA君ひとりだけを乗せて、試合会場に向かった。

私の第1回戦は無事終了した。

ホッとした。

これで試合に出られる。

もういい、試合に出られればそれでいい。

グランドには、待ちくたびれた8人がいた。

朝ご飯も食べずに急いできた生徒がヘロヘロになって待ってくれていた。

初戦は、都立六本木高校。

人数からいっても、はるかに規模が違う。

それでも、9人揃った。

何とかなる。

運動靴すら持ってこず、私の靴を履いて出たA君。

立ち上がりは良かった。

しかし、ピッチャーが燃料切れになった。

攻撃中の休める時間に、準備しておいたおにぎりを食べさせた。

野球の簡単なルールすら知らなかった生徒も、毎日練習に参加しているうちに、投げたり打ったりできるようになっていた。

速い球に反応し、ヒットも打った。

私もあきらめなかった。

必死で声援を送った。

燃料切れになったピッチャーも次第に息を吹き返した。

勝てる。

あきらめなければ勝てる。

そう思い始めた。

それでも、相手はあきらめない。

点差が縮まってきた。

しかし、下位打線の生徒がタイムリーツーベースを打って、さらに点差が開いた。

みんなが、勝てると思い始めた。

最終回、ピッチャーはへたばっていた。

それでもみんなで声をかけて、何とか投げきった。

そして、試合は終わった。

創設4年目にして、初めて都大会で勝てた。

みんなは抱き合い、握手を交わし喜んだ。

長い1日だった。

みんなはその日1試合だったが、私は2試合分のエネルギーを使った気がした。

嬉しかった。

試合に出られて嬉しかった。

しかも、試合に勝てて本当に嬉しかった。

次の試合は、全国大会の出場校。

A君はもう試合には来なかった。

それでも誰かが加わって、良い試合ができた。

コールド負けではあったが・・・。

どんなことがあっても私はあきらめない。

そこに僅かな可能性があるのなら。

ありがとう、感動をくれた生徒たち。

そして、試合に来てくれたA君。

            (当時の手記より)


 A君はその後、学校を中退してしまった。

 それでも、昨年、お金を貯めて再入学してきた。

 そして、残っていた単位を1年間で取得し、今年の春卒業した。

 卒業式で彼を見て、涙が溢れてきた。

 青春って素晴らしい・・・!








by ikenosai | 2013-08-05 08:57 | のぼーる(野球) | Comments(0)
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