「逆さメガネ」出版社: PHP新書
著 : 養老孟司
価 格 : ¥714(税込)
著者の話より~
人間は刻々と変わっている。
ところが、いまの社会は「変わらない私」を前提にしている。
「変わらない私」と思い込むのは、いまの世の中の見方をそのまま受け入れているからだ。
だから、世の中の大勢の見方と反対を見ることができる「逆さメガネ」をかけなければ、本当の姿は見えてこない、ということもある。
そして、人が変わらなくなった社会で、最も苦労しているのが子どもたちだと指摘する。
なぜなら、子どもは一番速やかに変化する人たちだからである。
そのことに気付かなければ、教育の本質を見失うことになる。 私たちの思い込みの原因は都市化社会にありました。
都市的合理性、多数決による社会常識がそうさせてしまったのです。
著者は本書で、あまり1つの見方でこり固まってしまうと危険だと警告しています。
子育ての環境がないから、子どもを産まないということが、逆さなのであって、子育ての環境が出来るように、大人たちが生きなければならないのです。
都市化する社会で、自然はないものだとして生きている大人たちは、自然である子どもさえも、見ないように生活しています。
恐ろしい話ですが、的確な表現です。
視点を変えて見てみる。
容易なことではないですが、世の中が少しおかしいと感じる中で、“みんなと同じ”は、危険だと認識する必要がありそうです。