いけのさい~子育てと教育の一隅を照らす


「ありがとう!」で終わる人生を目指して、日々のことを振り返り、そして、これからのことを考える。
by ikenosai
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新のトラックバック
終戦のエンペラー
from Anything Story
カテゴリ
画像一覧
フォロー中のブログ
記事ランキング
最新のコメント
> nonbinoさん ..
by ikenosai at 00:08
> chobichobi..
by ikenosai at 00:01
ブログにイイネ、ポチッと..
by nonbino at 00:08
イイネ有り難うございまし..
by chobichobi729 at 05:45
> beerpapaさん..
by ikenosai at 21:03
以前の記事
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
メモ帳
ライフログ
タグ
ファン
ブログジャンル
検索
その他のジャンル

タグ:放課後 ( 1 ) タグの人気記事


第2夜 放課後の続きで・・・



e0148909_22275194.jpg

e0148909_22280584.jpg




第2夜 放課後の続きで・・・

 3年生が引退し、しばらく試合はなかった。

放課後の教室は、真面目に部活に出る者、家に帰る者でいつの間にか僕と仲の良い女の子だけになっていた。

別段、話し込むわけではなく、ただ何となく一緒に教室にいるのが心地よかった。

ときどき話したり、ぼんやり外を眺めたりして過ごしていた。

次の日も、その次の日の放課後もいつの間にか彼女と二人きりになっていた。

僕はドキドキしながら過ごす放課後を毎日楽しみにしていた。

彼女もずっといるので嫌ではないだろうと感じていた。

それでも恥ずかしくて好きだとも、付き合って欲しいとも言えなかった。

時折、時間が止まればとさえ思っていた。

胸がキュンと苦しくなる。

そんな毎日を味わうように過ごしていた。

家に帰ってからも、風呂の中でも、朝の練習で走っているときも頭の中はいつも彼女のことでいっぱいだった。

それでも、告白できないまま時間だけが過ぎていた。

そんな僕と彼女が過ごす時間をちゃかす女子生徒がいて、しだいに居づらくなってきた。

そして、何日も続いていたはずの彼女との楽園は終わった。

それ以来、顔を合わすと何だか気まずく、照れくさそうに笑うだけ。

それ以上には進めなかった。

会話がなくなってしまい、お互いの関係がぎこちなくなってしまった。

とうとう僕はあきらめて真面目に部活に行くようになった。

入学当時から、いずれはキャプテンになると言われていたのに、こんなサボり癖からか、キャプテン候補から外された。

信用を失ったこともショックだった。

恋は盲目、彼女のことで頭がいっぱいになり、結局は部活に身が入らなくなって、信用までも失ってしまっていた。

それでも、試合には勝ちたかったので誰にも負けないだけの練習を再び始めていた。

ある日、部活が終わって街に向かって歩いていたときのこと。

幻となった彼女との放課後以来、ぬけがらのように僕は歩いていた。

すると、橋の向こうからニコニコと手をつないで歩いてくるカップルに目が留まった。

男は男子校の奴で僕よりも不良っぽく、かっこいい。

そして、横にいる女の子は僕が好きな彼女だった。

絶望感にさいなまれた僕は、どん底に突き落とされる思いだった。

気まずそうな僕を苦笑いで見ていた彼女。

僕の一方的な思いだったのかは分からないが、恋人に裏切られたような感覚に襲われ、一気に心が沈んでしまった。

そして、彼女はあの男とどこまでの関係なのだろうかと余計な不安までも・・・。

もう、失うものがなくなった感じになって、空っぽの心の中に小さな灯りを必死でともそうとしていた。

その日からだった。

一心不乱に部活に打ち込むようになったのは。

切なさを忘れたいがために練習に励んだ。

練習に励んで、さらに気持ちが晴れないときは、ひたすら走った。

20キロ走った日もあった。

それでも彼女への思いは続いていた。

教室で顔を合わすのが辛く切なかった。

それは、3年生になっても続いた。

やっぱり彼女が好きなままだった。

心の内をずっと言えないままだった。

そのころの僕は硬派で、プラトニックでも心が通う恋愛を求めていたのだと思う。

誰かを思い続けるような恋こそが成就すべき恋だと思いこんでいた。

一方的な思いだったが誰にも遠慮がいらない、そんな片思いは卒業まで続いた。

ずっと彼女が好きだった。

彼女は地元の大学に進学した。

卒業式が終わってから何日か経って僕の進路がきまったので、ほとんどのクラスメートは僕がどうしているかなんて知らなかった。

彼女もそうだった。

僕の存在なんてどうでもよかったのだと思っていた。

 冬休みに帰省し、街を一人で歩いているとき、彼女とバッタリ会った。

相変わらず、可愛いままだった。

あの頃の感覚がすぐに戻っていた。

やっぱり彼女を好きだったことを思い出した。

東京に戻ってから数日後、彼女から手紙が届いた。

僕が東京に出ていたことをどうやら最近知ったみたいだった。

そして、あの二人だけの教室でのことを懐かしく、あの頃が楽しかったと綴っていた。

やっぱり告白すれば良かったと後悔した。

 春休みになって彼女が東京に遊びに来た。

東京の大学に通う兄のアパートに泊まっていた。

すぐに電話をもらった僕は、早々に会いに新宿駅まで出かけた。

西口のカフェで待ち合わせて会った。

僕の片思いだとは思ったが、今夜デートができたらと誘ってみた。

一生に一度しかないチャンスだった思う。

しかし、その日の夜は9時までバイトに入っていた。

そのバイトのあとなら必ず会えるので、夜9時にバイトが終わるとすぐにアパートに帰るから、もし時間があったら連絡して欲しいと伝えていた。

もし、あの時の思いが成就するなら・・・と密かに期待していた。

 バイトは夜9時を過ぎても、客が減らず、交代でくる先輩が電車の人身事故の影響で足止めになっていた。

結局、先輩はこなかった。

僕は閉店までバイトに入り、帰ったのは深夜2時だった。

アパートに帰ってみると、留守番電話に4件のメッセージが入っていた。

彼女が1時間おきに連絡をくれていた。

最後の時間が深夜12時になっていた。

きっとそこまでは会うことにしていたのだと思った。

一瞬にして僕の思いは、伝えられないまま途絶えてしまった。

それは今もずっと。

もう会うのも怖い感じがする。

やはり、閉じこめたまま、開けてはいけない小さな思い出。

ずっとそのまま、遠い記憶に閉じこめたままに・・・。

 今頃になって、遠いあの日を思い出す。
どうにもならない恋だったけど、あの頃好きだった彼女との思い出はやっぱり今でも美しいままになっている。

もう会わないほうがいいのだと思う。

開けてはいけない玉手箱なのだとずっと心にしまい込んでいる・・・。



e0148909_22272963.jpg












[PR]

by ikenosai | 2017-04-01 22:29 | 恋別離苦(短編集) | Comments(0)