いけのさい~子育てと教育の一隅を照らす


「ありがとう!」で終わる人生を目指して、日々のことを振り返り、そして、これからのことを考える。
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塞翁が馬


 紫陽花の咲く6月16日は父の四十九日法要だった。


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 高速バスで津山駅について、汽車を待つ間に、今津屋橋から津山の街を見渡していた。

そして、コンビニで朝食。

広くとってあるイートインコーナーがとても有り難かった。


 この場所は、かつて映画館があった場所。

最後に観たのはキアヌリーブスの「スピード」だった。

田舎特有の2本立て、もう一つは「34丁目の奇跡」。



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 振り返れば30数年前の高校1年の秋、大きな挫折から、私は変わっていった。

何かを達成しようと始めたボクシング。

ひとりで練習するジムを抜け出し、よく走った吉井川の河川敷。

何往復も走っていたこの場所は、今もそのままだった。


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縁に生かされ

 私の青春の原点がこの地にあったことを思い出していた。

鍛え抜いた体幹だけがその後の礎(いしずえ)になって、不思議な縁で運命改革が始まった。

卓球部だったため、部活のあとにジムに行き、朝は八出の河川敷を走り、夜はこの今津屋橋の下を走った。


 高校2年でボクシングのデビュー戦。

卒業までの3試合、すべて同じ相手に負けた。

しかし、やるだけのことはやったという達成感からか、不思議な充実感を味わっていた・・・。

そして、そこで終わるはずだった、それでよかったと思っていた。


 不思議な巡り合わせで、スカウトが来て、私は大学へ進学した。

大学に入るとすぐに、岡山代表で国体に出場。

対戦相手は、アジア大会に出場する日本チャンピオンだった。

そこでは負けたものの、その秋、後楽園ホールでのリーグ戦で、同い年の高校チャンピオンと対戦した。

2年連続でインターハイを制していた選手だった。

これまでに鍛えてきた体幹とスピードがダイナマイトのようなエネルギーになって爆発した。

リングで大暴れした私は、60秒で相手を倒していた。

高校時代で終わるはずだったのに不思議な縁によって開花していった小さな私。

何のために大学に行ったのか?

そのときの役割は、足りない部員の微力ながらの補強に過ぎなかった。

そのお陰で、リーグ戦は全試合に出場した。

高校時代にあこがれていた、後楽園ホールで20戦も戦えた。

 大学4年で引退し、しばらくは東京にいたが、田舎に帰った。



二度目の上京

 田舎に戻って、中学校の講師をしていたが、期限が来て、再び上京することになった。

津山駅に見送りに来た両親。

 
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 出発間際になって、私は初めて父を抱きしめた。

私よりも立派な体格にまだまだ圧倒された。

泣きじゃくる父に、申し訳なく思った。

いよいよ扉が閉まったとき、父は扉を叩いて、くしゃくしゃの顔を見せながら「うんうん」とうなずいて、手を振った。

私はそこから動けなくなり、遠ざかっていく両親をずっと見ていた。

結局、岡山駅に着くまで涙に濡れた顔を上げられないまま、そこに立ちつくしていた。

それから、3年後、私は、彼女を実家につれて帰った。

二度目の上京は、その人とどうしても一緒になりたかったからだった。


 父は私が結婚してからずっと、「おまえはええ嫁をもらった」と褒めてくれていた。

そして、私自身も、彼女の両親に大切にされた。

「寵愛」という言葉の意味と、私が彼女の両親から受けた感覚とが重なる。

遠くにいても、近くにいても、みんな仲むつまじく過ごせた日々を、子どもたちも忘れないでいてほしい。


 田舎を捨てて上京したことをときどき申し訳なく思うことがある。

いつも嬉しそうに迎えてくれていた父を思い出しながら・・・。










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by ikenosai | 2016-06-19 07:19 | お父さんお母さん | Comments(2)