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いけのさい~子育てと教育の一隅を照らす


「ありがとう!」で終わる人生を目指して、日々のことを振り返り、そして、これからのことを考える。
by ikenosai
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「セルフケアとコーチング」 “元気に子育て” 文化だより 第18号(23年10月発行)

命のリレー
~子どもたちにいちばん託したいことは何ですか?~

人の一生はどのくらいの期間なのでしょう。私は60数年生きられればあとはおまけだと思っています。つまり、おまけの年になったら感謝、感謝で生きていかなければと今から心の準備をしています。60年といえば、運が良ければ孫の代に巡り会えます。その運にも、年齢的な問題以外に子宝に恵まれないということもあります。たとえば、体質的な問題で不妊治療をしても恵まれなかったり、その逆で無意識のうちに本当は愛してもいなかった相手の子どもを身ごもったりすることもあります。どんな形であれ、子育てができるということは、命のリレーができる、つまり、次世代に命のバトンタッチができる人間本来の幸せに直結していることなのです。しかし、現代の人間の価値観には多様なものが入り込み、その大きな役割を軽んじてしまっていて、人によっては子育てすることで不幸を感じる変な世の中になっているのです。命のリレーをなぜ不幸だと感じてしまうのか、そこには有り余るものの多さなど、価値の多様化で共感しにくい、人の心が分かりにくい等々の問題も見え隠れしていて、単純ではない人々の心を離ればなれにしてしまっているのではないでしょうか。昔は良かった…と言われるのも一理あるのではないでしょうか。昔は単純明快な環境だったから分かりやすかったということなのでしょう。たとえば、今のご家庭の中を見ても、経済的に裕福であれ、貧乏であれ、もので溢れています。必要なものの優先順位も人それぞれです。有り余るものの影響は執着というかたちで現れています。あれも欲しい、これも欲しいといろんなものに手を出し、ついつい買ってしまう。よくよく考えるといらないものまで買ってしまうのです。欲しいものが何でも手に入る経験は、良い結果をもたらすとは限りません。その変な執着が、本来大切な衣・食・住という基本的なことを歪めてしまい、そんな生活空間に子どもたちが置かれているという現状からは何が大切なのかが分からず、未来への希望も見えてはきません。さて、それでは希望の持てる未来とはどんなものなのでしょう。それを示すのが親であり、後々の子孫への大切な役割ではないでしょうか。それを考えること、そのことを願い、思い続ける、念じ続けることが次世代へのメッセージのカギとなるでしょう。以前ご紹介したチェロキーインディアンの7代先の幸せを考えた生き方。ここまで意識が行き渡っていたら、現代社会の問題はこんなに深刻にはならなかったように感じます。今の経済も、そして、原発の問題も。

 任せっきりにしない
 頼りきりにしないなど
 人に依存し過ぎない
 自分で学び
 自分で気づく
 自己責任のもと生きる
 そして、感謝して生きる
 等々・・・

 意識改革が幸福へのカギとなるでしょう。どうか、どうか、今号がそのきっかけになれればと思います。


“十人十色”の環境 
 かつて、介護福祉の勉強のために進学した卒業生がいました。しかし、その勉強は彼にとってかなり難しかったようで、その後、学校をやめていたことをしばらくして知りました。在学中に福祉施設からの引き抜きがあって、そこに就職したとのことでした。以前からコミュニケーションをとるのが難しく、解らなくてもいつも笑顔でうなずくだけでしたので、どこまでを理解できているのかが解りにくい生徒でした。彼の両親は努めて彼のサポートをしていたことでしょう。意思表示の確認も笑顔でうなずかれればイエスなのだと理解しがちにもなります。毎日休むことなく登校し、野球部の練習にも参加し、みんなと楽しんでいたものと私は思い込んでいました。彼が3年生のとき、もう一人の生徒と3人で大岳山(御嶽山よりさらに奥の山)に登ったことがありました。私のペースにも頑張って着いて来て、時に早いと「先生、待って」と声を掛けられる生徒でした。平日だったこともあって山頂は私たちだけでしたので弁当をひろげて昼食にしました。ケーブルカーなど使わず行き帰り全部徒歩でした。これまでの小学校や中学校でも寡黙のまま通過し、何とか乗り越えてきたのだと思います。しかし、福祉の専門的な勉強をするにあたってはかなり困難だったようです。その後、彼の通っていた学校の先生と話す機会があったので彼のことをうかがいました。入学してからの彼の様子を事細かに話してくださったときに私は愕然としました。専門家の目から見て彼は明らかに知的障害があり、障害認定を受けてみると、愛の手帳2度(知的障害者の生活施設に入れる内容)だったのです。今は自立センターで障害者と職員の中間の仕事を任されていて、温厚でやさしい働き振りがとても評価されているとのことでした。嬉しそうな表情で彼から名刺をいただいたことを思い出しました。そこは今、彼にとって最高の居場所になっているようです。本人に適した環境、そして、長く続けられる環境をその福祉の学校の先生は見つけてくださっていたのです。私たちは今、子どもたちのどこを見て将来を考えているのでしょうか。無理やり下駄を履かせ、無理やり納得させ、大人の都合で親の価値観で無理やり次の場所に押し込んでいないでしょうか。考えが不一致の親子を過去にたくさん見てきました。その後どうなっているかと申しますと、ほとんど上手くいっていないことだけはお伝えしておきます。それでも紆余曲折あってやっと自分の居場所にたどり着いた卒業生も何人かいます。やっと本当の気持ちで親と話し合えた生徒たちです。
 子どもの自立は、釣った魚を与えるのではなく、魚をどうやって釣るかを教えることなのです。ただし、どうやったら釣れるようになるか、釣る魚や釣り方など、そして、釣る側、つまり本人の特徴や癖をしっかり捉えて関わらなければいつまでも自立ができないままモラトリアムな時間から抜けられないで苦しんでいくのです。


 “話す力”  
   ~次世代教育への課題~

 文化高等学院では、卒業後マレーシアに向け留学する生徒がいます。その中にはもともと不登校だったり、以前は重いひきこもりの経験を持つ生徒もいます。言葉の壁はもとより、インターナショナルな世界に向けての大きな課題として、プレゼンテーション能力が求められているため、留学先では話す力をつけるプログラムがあらかじめ用意されているようです。つまり、世界を渡り歩くためには、ディベートやプレゼンテーションの力をつけることがすでに必須なのです。それが世界の標準のようです。どこか日本は取り残されているようです。職種によって異なりはしますが、世界を視野に入れた企業で働くのであれば、コミュニケーションの力をつけていくことがこれからはカギになります。コミュニケーションの力は、家族の中からでも充分に学べます。感情的にならず、冷静な中で、相手に自分の伝えたいことを上手に表現できること。相手の話すことが上手く理解できること。この習慣はとても大切なことです。


 健康と予防
  免疫力とストレス

 適度のストレスは健康には必要だそうですが過度なストレスは交感神経の緊張を招きます。過度なストレスが続くと、白血球の中にある免疫成分の顆粒球とリンパ球のバランスが崩れていきます。さらに交感神経の緊張が続くと、体を低体温にしてしまい、継続的に免疫力を下げることになります。低体温は病原菌にとってとても過ごしやすい環境です。例えば、癌(ガン)細胞は41℃以上で消滅し始め、42.5℃を越えるとほとんどが死滅するそうです。これまでの「文化だより」では徹底して低体温対策、冷やさない健康法についてご紹介してまいりました。今一度、バックナンバーをも振り返っていただき、学びの時間にしていただければ嬉しいです。今号では免疫学の世界的権威、安保徹(アボトオル)先生の著書から抜粋させていただいていますので、興味のある方はぜひ、お読みいただければと思います。話をストレスと低体温に戻します。ストレスを取り除くこと、体を冷やさないことで、交感神経を癒すことは病気への改善のカギとなることでしょう。これを実践していくと、ほとんどの病気は治る。そして、癌も。これが安保先生の持論です。現在、私たちは、癌になったら間違いなく死を意識するでしょう。実はここからストレスを増大させ、さらに麻酔をかけメスを入れ、放射線治療、抗ガン剤治療といろいろな方法で免疫力を低下させ、悪化の一途をたどっていくことでしょう。身の回りにもそうやって亡くなられた方がいらっしゃることでしょう。癌にならない顆粒球とリンパ球のバランスがとても重要になります。まず、過度なストレスを受けると自律神経は崩れていきます。そして、興奮物質のアドレナリンが分泌され、さらに交感神経が緊張状態になります。実はこのストレスによるアドレナリンの分泌が血糖値を上昇させるため、糖尿病を引き起こすのです。糖尿病の大きな原因はストレスだったのです。このときの白血球中には顆粒球が増えています。ストレス回避のためには副交感神経を優位にすることが基本となります。夜、しっかり寝ること。食べること。笑うことが重要になります。一般的に交感神経優位の生活パターンの人は比較的やせていて、副交感神経優位の人はふくよかだそうです。どちらにせよ偏りすぎると危険です。交感神経優位の人はストレス解消を、副交感神経優位の人は適度な緊張を与えることが必要になります。しかし、多忙でストレスの多い交感神経優位の人が即効性のある解消法として陥りやすいのが食べることへの執着です。何を食べるかがここでも大きなカギとなります。休憩時間に砂糖のたっぷり入った缶コーヒー、甘いお菓子なんてことはないでしょうか。食べることでストレス解消にはつながります。しかし、何を食べたかが重要になります。甘いものは素早く作用します。ただし、依存性が強いという大きなリスクを抱えることになるのです。先ほどお話しした。ストレスで分泌されるアドレナリンと砂糖を食べて分泌されるインスリンのバランスが不安定になること、さらに砂糖による低体温への影響やそれを好む癌細胞の影響がこの生活習慣を悪化させていくのです。つまり、砂糖の摂りすぎは低体温を招き、体の血糖値を上げ、その結果、インスリンが出て、低血糖になり、低血糖により、(生命を保つために)体を動かさないようにします。低体温と運動不足で免疫力が下がり、呼吸が浅くなっていきます。癌細胞は酸素が苦手です。だから呼吸が浅いということは癌細胞にとって都合が良いことになるのです。
不登校、特にひきこもりのネガティブな原因、思いあたるところはないですか?

 白血球は約60%の顆粒球、約35%のリンパ球、約5%のマクロファージで構成されています。このバランスと免疫力の関係については次号で詳しくお話しします。
 体温を上げて
  免疫力を高めましょう!

①ストレスをためない!
②ダラダラし過ぎない!
③規則正しい生活!
④睡眠時間をしっかりとる!
⑤バランスのとれた食事!
⑥旬のもの!
⑦砂糖を摂り過ぎない!
⑧有酸素で適度な運動!
⑨こだわりや頑固の軽減!
⑩感謝できる心!

 意識すれば取り組める10項目です。ぜひ、取り組まれてみてはいかがでしょうか!



お薦めの“1冊”
 子どもの心のコーチング
~一人で考え、一人でできる子の育て方~

 著 者 : 菅原 裕子

 出版社 : PHP文庫

 価 格 :  ¥580 (税込)

 思春期まっただ中の子どもの心に寄り添うこと、傾聴し、共感することはとても重要であることはほとんどの親御さんはご存じのことでしょう。しかし、どこかで自己流のマニュアル化をしてごまかしていることが結構多いようです。一番は子どもが幸せであること、そして、その幸せは長い目で見てという前提が必要なのです。今を満たすだけの付け焼き刃的な関わりをしていては、いつまでも自立はできないでしょう。育むことも大切であり、経験することも大切、そして、何よりそこから学び、智恵を出すこと、ここに子育てや教育の原点があるのです。変えられぬ個性があるとしたら、それをも受け止めて育てていくこと、ここに本来の子育ての醍醐味があるのではないでしょうか。最後に本書で紹介されている詩をご紹介し、参考にしていただければと切に願うところです。

ひび割れ壺

 インドのある水汲み人足は2つの壺を持っていました。天秤棒の両端にそれぞれの壺を下げ、彼は水を運びます。片方の壺には、ひびが入っていました。完璧な壺が小川からご主人様の家まで一滴の水もこぼさないのに対し、ひび割れ壺はいっぱいまで水を汲んでもらっても家に着く頃には半分になってしまいます。完璧な壺は、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら、彼は本来の目的を常に達成することができたからです。ひび割れ壺は、いつも自分を恥じていました。なぜなら、彼はいつも半分しか達成することができなかったからです。
二年が過ぎ、すっかり惨めになっていたひび割れ壺は、ある日川のほとりで水汲み人足に話しかけました。「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまないと思っている。」「なぜそんな風に思うの?何を恥じているの?」水汲み人足は言いました。「この二年間、私はあなたのご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。水が漏れてしまうから、あなたがどんなに努力をしてもその努力が報われることがない。私はそれが辛いんだ。」壺は言いました。水汲み人足は、ひび割れ壺を気の毒に思い、そして言いました。「これからご主人様の家に帰る途中、道ばたに咲いているきれいな花を見てごらん。」てんびん棒にぶら下げられて丘を登って行く時、ひび割れ壺は、お日様に照らされ美しく咲き誇る道ばたの花に気づきました。花は本当に美しく、壺はちょっと元気になった気がしましたが、ご主人様の家に着く頃にはまた水を半分漏らしてしまった自分を恥じて、水汲み人足に謝りました。すると彼は言ったのです。「道ばたの花に気づいたかい?花が、君の通る側にしか咲いていないのに気づいたかい?僕は君からこぼれ落ちる水に気づいて、君が通る側に花の種をまいたんだ。そして君は毎日、僕たちが小川から帰る時に水をまいてくれた。この二年間、僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。君があるがままの君じゃなかったら、ご主人様はこの美しい花で家を飾ることはできなかったんだよ。」
   (作者不明 菅原裕子訳)


編 集 後 記
 夏休みの1週間は、岡山に帰省しました。息子と2人で、青春18きっぷでローカル電車を14回も乗り継ぎ、15時間かけて行きました。青春18キップは1枚で5回分もしくは5人分が11,500円で1日1人たったの2,300円で何度も改札を出ることができるので、観光も、買い物もできてとても便利でした。小学1年の息子は、3食が駅弁か立ち食いそばというだけで大喜びでした。1番長かった区間は、米原から姫路までの2時間半の区間で、夏休みの課題をしたり、絵を描いたり、本を読んだりして過ごしました。昨年の夏休みも青春18きっぷを使い、帰り道は、静岡で海水浴をして帰ってきました。今年も息子と長い時間過ごし、楽しい夏休みでした。旅行中、この会報の編集をと考えていましたが、全く手がつけられませんでした。息子たちと鳥取砂丘に行ったり、私の通っていた小学校の校庭で遊んだりしているうちに夏休みが終わり、気がつけば秋になり、あわてて編集し、10月を迎えました。(S・I)
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by ikenosai | 2011-10-29 21:41 | 文化だより | Comments(0)

平成23年度駒澤大学経済学部キャリア・デザイン

 思いおこせば、今年でこの講義は8年目を迎えました。のべ3千人以上の学生に私のこれまでの人生について、キャリアデザインという立場からお話をさせていただきました。
 この教科の担当をされているT先生が70歳の古稀で今年度でご勇退(定年)されることになり、とても残念でなりません。新宿駅で先生とお別れして、肩をがっくりと落として電車の中の先生に挨拶をすると、先生もやはりお年を召された・・・という感じになり、これまでの8年間を振り返っていました。しかし、なぜ、私が肩をがっくりと落としてしまったのかについてその日は具体的な理由が解らなかったのです。翌朝になり、なぜ、肩をがっくりと落としているのか考えていました。
私は、まだまだ、子どものままでいたのではないかと思います。どこかで親世代にまだまだ依存し、頼って生きてきたのだと気づいたのです。そして、晩年に花を咲かそうとのんびり生きてきた自分に少し気合いを入れました。お世話になった人たちに早く恩返しをしなければという気持ちになったのです。三途の川を渡りかけた父がまだ生きているうちに、母もまだ元気なうちに、そして、お世話になった先輩や先生が元気なうちに恩返ししようと思い、少しずつ意識した取り組みの中に我が身を置くことを誓いました。また、つたない私のブログにお付き合いくださる皆さまに心より感謝申し上げます。


 これまでの経緯や生い立ちについては、前年度までの記録をご参照下さい。


・子育てと教育について

 我が家では、夫婦が理解し合えた関係で共に子育てをしていくと、私が福祉と教育の分野、奥さんが保育と子育ての分野を極めていくことになり、最終的に夫婦別々に読んでいた本がいつの間にかつながっていき、共通した考え方が築けていきます。ここまでくればすれ違いはほとんどなくなっていきます。


・知的障がいの人たちとの関わり

 知的障がいのある方たちとの関わりは、自分の心を映す鏡のような存在です。

誠実に向き合えば向き合うほど良い答えが返ってきます。

裏を返せば、いい加減に取り組んでいくと、良い結果は見えてこないと言うことです。


・仕事に必要なこと

 皆さんはいずれ就職されるでしょう。

そうするとまず、組織について理解しておく必要があります。

組織とは1+1+1=3ではなく1+1+1=3+αでなければ意味がないのです。

その+αとは、例えば高校生クイズを見ても、決勝戦は3人1組の対戦があります。

まさにあれが組織の基本です。

1人の知識より3人の知識が集まるほうが問題に答えられる幅が広がります。

それが1人ずつだと、3人の中の1人しか解らないこともたくさんあり、3人が話し合って答えを出せれば、正解率はもっと上がります。

しかし、そこに根拠もなく我を通したり、曖昧な判断をするリーダーがいたら、正解率は下がっていきます。つまり、組織はリーダーでも大きく左右することになります。

 モチベーションについても、モチベーションを上げるにはまず得意分野を徹底して研鑽し極めることが重要です。

無理に苦手を克服する取り組みよりもずっと効果的です。

精神的に前向きになれる職場であってこそモチベーションはアップするのです。

 そして、マネジメントはその得意分野を生かすこと、伸ばしていくことです。

組織の中の人材を適材適所に振り分けることなのです。

そこで生かされる人たちは前向きの中からモチベーションを上げていき、組織は機能していきます。


・人生に必要なこと

 人には生まれ持つ徳分があり、そのままでは、どんなに頑張ってもそれ以上に積み上げていくことができないのです。

もともと人間は限られた器を与えられています。

その器が小さいといくら徳積みをしても、その器に入りきれず、こぼれてしまうのです。

それでは、どうしたら積み上げていかれるようになるのか?と言うことになります。その徳積みの器をどのように大きくするのかと言いますと…。

他のため、他人のために土台になる生き方をすることがとても重要になります。

他人のために、我をとおさず生きられるか…。

謙虚になり、そして、感謝して生きられるか…、です。


 最近話題になった松下政経塾の創設にあたって、松下幸之助さんがおっしゃっていたことは、塾生は、早く来て掃除をし、そこから謙虚な心を養って欲しいと望まれていたそうです。

つまり、それさえもできていない塾生が多く、徳のない政治家や財界人を現実としては輩出したと事務局の人たちがぼやいていたそうです。

それでは、どうしたら良いのかというヒントが、京セラの創立者稲盛和夫さんの著書「生き方」の中で出てきます。

それが因果応報についてのお話です。因果の果応報(運命をきりひらく徳積みの話し)

 中国の古典に「陰隲録」(いんしつろく)という明の時代にまとめられた書物があります。

その中で袁了凡(えんりょうぼん)という人のお話があります。

 袁了凡は代々医者の家系に生まれるのですが、早くに父を亡くし、母によって育てられます。

家業を継ぐため医学の勉強に励んでいた少年のころ、突然、一人の老人が訪ねてきます。

「私は易学を究めた者だが、天命に従って、易学の神髄を伝えに来た。」と言うのです。

そして、「お母さんはこの子を医者にしようとお考えかもしれないが、彼はその道をたどりません。

時期が来て、科挙(昔、行われていた中国の官僚試験)の試験を受けて、役人となるでしょう。」と言い、何歳で何の試験を受け、何人中何番で合格し、その後、若くして地方の長官になり、たいへんな出世をすること、結婚はするが子どもを授からないこと、53歳でこの世を去ることなど、次々に少年の運命を予告します。

その後の彼の人生はその予言どおりになっていきます。

彼が地方の長官になってから、年老いた偉いお坊さんのいる禅寺を訪ね、ともに座禅を組みます。

それが無念無想のすばらしいものであったため、お坊さんが感心して「一点の曇りもない、すばらしい禅を組まれるが、いったいどこで修行をなされたか」とたずねます。

彼は修行の経験などないことを伝え、さらに少年のころ出会ったあの易学の老人の話をします。

「私はその老人の言葉どおりの人生を歩んできました。

やがて53歳で死ぬのも、私の運命でしょう。

だから、今さら思い悩むこともないのです。」

しかしそれを聞いたお坊さんは彼に一喝します。

「若くして悟りの境地を得た人物かと思えば、実は大バカ者であったか。ただ、運命に従順であるのがあなたの人生か?運命は天から授かるものではあるが、決して人の力によって変えられない不動のものではない。

善きことを思い、良き行いをしていけば、あなたのこれからの人生は運命を超えて、さらにすばらしい方向へ変わっていくはずだ。」と因果応報の法則を説いたのです。

彼はその言葉を素直に聞いて、以後、悪いことをなさぬよう心がけ、善行(善き行い)を積んでいきました。

 その結果、できないといわれた子どもにも恵まれ、寿命のほうも予言された年齢をはるかに超えて、天寿をまっとうしたのです。

因果応報とは、天が決めた運命もおのれの力で変えられる。

善き思い、善き行いを重ねていけば、そこに因果応報の法則が働いて、私たちは運命に定められた以上の善き人生を生きることが可能になるのです。

だから誠実に生きること、善きことを思い、善き行いをしていくことだと思います。

 ある塾の先生が、東大など有名一流大と言われる大学に進学した彼らのその後にアンケートをした話があります。

一流と言われる大学に進学し、一流と言われる企業に就職して、今が幸せですかという質問でした。

残念なことに、幸せと答えた人の方がはるかに少なかったようです。

分析の結果、幸せな人と、そうでない人との決定的な違いが明らかになったそうです。

幸せだと感じている人は、人を喜ばせる職業に就いた人、つまり、世の中のために役立っているという実感がある人でした。

そして、不幸だと感じている人は、自分だけが喜びたいと思っている人、つまり、自己中心的なわがままな人だったそうです。

誰かが喜ぶことでそれが自分の喜びへとなっていくのです。

仕事の基本はそこに凝縮しているのです。


・おわりに

 (人の最大の使命とは)次世代を大切に育てることに尽きます。

 子どもは世界の宝。どう育てていくかで未来の我々の老後が決まります。

基本は随分先の、何代も先の子孫にきれいな地球を残すこと、素敵な人生哲学を子々孫々に語り継ぎ、残すこと。

何代も先の子孫に感謝されるような生き方に今から取り組むことではないでしょうか。

 ご静聴ありがとうございました。
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by ikenosai | 2011-10-23 06:42 | 駒澤大キャリア・デザイン | Comments(0)