いけのさい~子育てと教育の一隅を照らす


「ありがとう!」で終わる人生を目指して、日々のことを振り返り、そして、これからのことを考える。
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カテゴリ:育て直しのすすめ( 1 )


“育て直し”のすすめ

便利になったと思われていた子育て・・・

 “育て直し”を提唱されている角田春高先生の本に、九州大谷短大の山田真理子先生との対談があります。
その中で1983年が子育てのターニングポイントだったことが詳しく書かれています。

紙おむつの登場。

ファミコンの登場。

そして、ビデオデッキが10万円を切り、各家庭に普及していきました。

好きなときに好きなビデオが子守りするようになり、ベビーカーの普及でおんぶや抱っこがなくなっていきました。

すでに母乳から粉ミルクになっていましたので、座布団に寝かせ哺乳瓶を自分で持たせて、抱っこすれば抱き癖がつくというお婆ちゃんの智恵が吹き込まれたのです。

テレビで育った世代のお母さんたちは、授乳しながら子どもを見るのではなくテレビを見ていたのです。

今は、メールにも夢中なお母さんがいます。

テレビを見ているお母さんが今、7割もいるそうです。

お母さんのテレビを見る時間は赤ちゃんが将来テレビを見る時間に大きく影響し、テレビに子守りしてもらった子どもは、人と目を合わせることができなかったり、言葉や情緒の発達の影響でコミュニケーションがとれないまま、保育園や幼稚園に通うようになるそうです。

便利な子育ては、本能的な親の愛情を引き出す力を失わせていきます。

その影響なのか、子育てを負担だと感じる親御さんが8割もいるそうです。

どこから負担という気持ちが生まれるのか考えますと、その答えは無償の愛をつくり出すための子どもとのスキンシップや見つめ合う時間の無さが大きく影響していることだけは事実のようです。


個性という表現では片づけられないこと 

 言葉の遅れも個性、偏食も個性、多動も、物を壊すのも、人を傷つけるのも・・・全て個性で片づけてしまうのは、今、ある問題に目をそらせているのと同じことなのです。

実は個性の柱をつくる年齢は、「つ」のつく年齢、おおよそ思春期を迎える頃までのようです。

その中でも生まれてからの5~6年間はとても重要な時期で、親を中心とする大人の関わりの影響が個性となって現れてきます。

適切な関わり方を知らないまま子育てをしてしまえば、大切なことが伝わらないまま大人になってしまうのです。

その世代間連鎖が日本全国に及んでしまっています。

リテラシーが育たぬまま、テレビやゲームに育てられてきた世代は、本来の動物的本能が麻痺していて、問題解決を困難にしています。

冷静な気持ちを準備して、関わっていけば、親子の相互理解は深まっていくでしょう。

寛容な心であきらめることなく子どもに目線を合わせ、離れてしまっている心に寄り添い、しっかり向き合う覚悟が必要なようです。


幼い頃のイメージを意識的につくり直すこと

人は大人になる課程で以外にも頑固な育ち方をしていきます。

自分の育った環境や生い立ちをできるだけ正当化して納得したいものです。

他人からとやかく言われることは特に受け付けなくなるものです。

しかし、少しでも意識を変え、物事を客観的に見ながら、これからの自分のために、育った頃のイメージを意識的に修復できたなら、親御さん自身も世界が変わっていくはずです。

そのためにクリアすべきいくつかの発達課題について考え、取り組んでいくことが親子の隙間を埋めていく近道になるようです。


“発達課題”を見つめ直す 

 子どもが育つためには7つの発達課題を乳幼児期に経過し、さらに同じ内容を思春期に客観視しながら経過できることで大人になっていくと角田先生はおっしゃってます。

7つの発達課題とは、 
①実感(生きている実感をもつこと) 
②安全(物や場所による安心感が広がること) 
③信頼(人による安心感が広がること) 
④言葉(経験を言葉で表し、言葉で理解する) 
⑤2人遊び(対等な2人遊びができること) 
⑥3人遊び(対等な3人遊びができること) 
⑦畏れ(学習意欲あるいは勤労意欲が持てること)。

といわれています。

前ページの内容の便利な子育てからはこのような発達課題を経過することが非常に困難になっているのが今の子どもたちの育っている環境からおわかりいただけると思います。

そして、何度もいいますが、本来の動物である人間としての子育てを知らない親御さんたちの世代間連鎖がこの発達課題の経過をより困難にしています。

学ばない限り、受けた子育ての内容を次の世代にもしていくのです。

しかし、ここで子育てをする我々の世代の育った環境、生い立ちを見つめ直し、今の子どもたちのために意識して大切なものを取り入れていくことができたら、きっと子どもたちの育ち方は変わっていくと思うのです。

この子どもたちを見ながら幸福感を得ることが、実は遅ればせながらですが、我々自身を“育て直す”きっかけとなり、子どもたちとともに幸せな生き方をつくっていく大きな岐路になっていくのだと思うのです。


※“育て直し”への強い関心、意識のある親御さんへ・・・
 今こうして意識できていることをまず大切になさってください。

ご自分の育った環境を振り返ってください。

周りの人たちとも比較してみてください。

おそらく、大半の人たちがパーフェクトな子育てを受けていなかったという現状を理解していただけると思います。

そして、安心してください。

本人に力があるからこそ育った環境をカバーするだけの力を持って大人になられているのです。

しかし、その感覚では今の子どもたちには伝わりません。

世代間連鎖に加え、育っている環境が昔より深刻化していること、そして、この問題にまだ気がついていない社会が深刻だといえるのです。

どうか心を大きく、広くされ、子育てを客観的に見られるように心の準備をしていただきたいのです。

そして、取り組んでいただければ子どもはしっかり育っていくことでしょう。


護送船団方式で便利な子育てがおこなわれてしまった現実

 合理性を重視した欧米の文化に日本の人々は憧れました。

そして、少しでも裕福に、少しでも便利にと国内の文明は著しい進化を遂げました。

ボタンを押せばご飯が炊け、ボタンを押せば風呂が沸き、ボタンを押せば目の前で、金田が投げて長嶋が打ったのです。

そして、ボタンを押せば子どもが育つのではと錯覚するくらい何でも可能になるとさえ思ったのです。

今、自然が人間に抵抗しています。地球温暖化がその例です。

実は子どもも自然なのです。

良い子育ては便利にはできません。

便利を求める親を見ても子どもは育っていくのです。

一生懸命に生きている親を見ても子どもは育っていくのです。

どちらが大切か、その意識がこれからを変えていくのです。


困難でも誰かがやらなければならない大切なこと

 今、子どもたちに必要なのは、第1の親、第2の親、それでもダメなら第3の親と“育て直し”を意識して関わることのできる大人の存在が今後の人格形成に大きく影響していくことになります。

そうなると、保育園や幼稚園、小学校、中学校、高校、果ては大学と、それぞれの機関で改善していくための取り組みができるような何らかの働きかけが必要なのです。

少子化問題にも屈せず子育て・教育の機関が生き残っていくために果たすべき役割になりつつあるようです。

教育機関にはそれだけの重要な使命があるのです。

そして、この連鎖に何としても歯止めをかけていくための教育が求められているのです。

実はこれがニート問題の最大の予防策なのです。





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by ikenosai | 2008-10-30 17:21 | 育て直しのすすめ | Comments(0)