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ゴールデンウィークが明けて2日目のことでした。
疲れがとれていないのか娘は朝遅く起きてきて急いでご飯をかき込み、家を出ました。 通学仲間と待ち合わせ中、少し気分が悪くなり嘔吐してしまい、泣きながら家に帰ってきたのです。 服を着替えさせ、学校まで自転車に乗せて行きました。 門を抜け、広い校庭の向こう側の玄関に行くまで見届けようと、ずっと娘の方を見ていました。 娘は時々振り返りながら私を確認し、そしてまた、玄関の方へと歩いて行きます。 いよいよ玄関というところで、振り向いた娘は、私の存在を確認すると懸命に走って長い校庭を引き返してきました。 私が思わず抱き上げると「学校へ行きたくない、パパといたい。」と声を出して泣き出しました。 連休明けの疲れもあるんだろう。 新しい環境での緊張や慣れない勉強にも疲れていっぱいいっぱいなのだろうとつくづく思いました。 娘を強く抱きしめ、なだめながら教室へ行くよう促しました。 しかし、なかなか受け入れる様子はなく、とうとう手を引き長い長い校庭を横断し玄関まで連れて行ったのです。 上履きに履き替えた娘は、ふたたび私に抱きついて離れません。 「今、頑張ろうという気持ちを持たなければ、明日も、明後日も学校へ行けなくなってしまう。だから、行くんだよ。階段を上がっていくまで、ここで見ているからね。」と言うと、泣きながら階段を上がり始めました。 私は心の中で「頑張れ、頑張れ。」と応援していました。 そして、娘のその様子を見ながら、泣きそうになっている自分を必死で押さえていました。 始業前の静かな下駄箱の前で私はひとりたたずんで、娘の心の内を必死で解ろうとしていました。 子どもたちにとってゴールデンウィークは1つの壁になっているように思います。 この大きな壁を乗り越えられれば、次の壁はいちだんと低く感じられるのかもしれません。 まさに子育ては一喜一憂して関わっていくことだと強く思いました。 平成18年 5月
by ikenosai
| 2008-10-25 06:39
| 子育て 一期一会
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