10年前の今日。
いよいよ、出産の日がきました。
陣痛が始まって、妻は陣痛の周期をはかり、助産院への入院の準備を始めました。
着いてからも、まだ余裕があったようで、私は家に足りないものをとりに帰りました。
再び助産院に着いたときは、外は暗くなり始めていました。
「ご主人、代わっていただけますか?」といわれ、背後の脇から手を入れて彼女を抱え上げました。
次第に息んでいく様子がはっきりと私の意識の中に入ってきました。
力尽きながらも、私も耐えて、彼女を抱えています。
2時間ほどたったのかな?助産師さんが言います。
「頭が出てきたよ、ほら・・・」しかし、そこから、なかなか出てこられない様子でした。
赤ちゃんは、頬に手をくっつけたままそこで止まっていました。
しばらくして、そのままの姿勢で出てきたのです。
肘まで出てきたら、あとはつるんと出てきました。
「坊やよ・・・」助産師さんの言葉でおちんちんを確認して、赤ちゃんを抱きかかえて彼女に見せました。
仰向けになって休む彼女をみんなでよく頑張ったねと褒めました。
嬉しそうに、みんなの名前を呼びながら「ありがとう、ありがとう。」と彼女が答えました。
しばらくして、後産の胎盤が出てきて、私は臍の緒を切らせてもらいました。
そして、彼女のお腹の上にのっている赤ちゃんの写真を撮りました。
娘もはしゃいで赤ちゃんを抱っこして写真を撮りました。
「お姉ちゃんになったね・・・」と私が言うと、笑顔で「嬉しい・・・」と答えました。
あれから10年。
早かったなあ。
新しいスパイクとバットを誕生日のプレゼントに買いました。
今は野球が一番好きなことのようです。
私はビーフシチューを作りました。