昨年までたずさわった生徒たちの卒業式によばれて参列した。
それは、小さな小さな高校の卒業式。
親子で乗り越えた感慨深い卒業式だった。
不登校と子育ての研究を積み重ねていた私にとって、この生徒たちの卒業は嬉しくて胸がいっぱいになった。
子どもの思春期と親の更年期が重なり、家族が何度も壊れそうになりながら乗り越えてきた3年間。
4年かかった者も、5年かかった者もいた。
そして、煩わしいプライドも、くだらない世間体もすべてを捨てて、やっと大切なものが見えてきて、やっとの思いで卒業を迎えた。
思いおこせば、絶望と不安のまっただ中でワラをもつかむ思いでこの学校に来た生徒たちばかりだった。
小学校で、中学校ではぐくめなかったものを思春期の苦しみの中で必死になって積み上げたこの高校生活だったと私は振り返った。
ひとまわりもふたまわりも成長した生徒たちにただただ感激していた。
春からは、大学に行く者、専門学校に行く者、留学する者、就職する者、浪人してまた大学を目指す者と様々の進路に進む。
ひとりひとりの名前が呼ばれ、証書を授与する中で、ともに歩んだ親御さんのことを考えていた。
私は目を閉じ、何度も何度もその親御さんたちの顔を思い浮かべていた。
すすり泣くお母さん、ほっと安堵の表情で見守るお父さん。
月日が経てば今日のこの喜びは少しずつ薄れていくだろう。
それでもまた思い出す日がくるだろう。
ともに乗り越えたこの高校での日々のことを、そして卒業した喜びを・・・。
これまでのことを、これまで苦しんだことを明日からの糧にして、決して負けないで、あきらめないで生きていって欲しい。
そして、またいつかこの場所で会おう。
最後に歌った「さくら」の歌詞のように・・・。
みんな、卒業、おめでとう。
本当によくがんばったね・・・。
ありがとう、ありがとう、私に感動をくれてありがとう・・・。